ジャパンディスプレイ(JDI)は23日、中小型ディスプレイの販売などを行う台湾子会社を11月中旬に台北市に設立すると発表した。中国市場に精通する群創光電(イノラックス)元副総経理の許庭禎氏を代表者に据え、台湾・中国の人材を確保し、中国のボリュームゾーン、ミドルエンド製品まで商機を拡大する。24日付電子時報は、日台提携の新モデルで受注の大移動が起こり、中小型パネルの業界地図が書き換えられるとの予測を示した。
新会社の台湾顕示器(台湾ディスプレイ、TDI)は資本金3,000万台湾元(約1億円)。JDIが100%出資する。台北市内湖区に設立し、年内に事業を開始する予定だ。
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 JDIは、TDI設立によって、中国市場でのビジネス拡大に不可欠な、現地でのスピーディーかつ柔軟な対応が可能になると説明した。
 電子時報によると、中国市場はタブレット型パソコン、スマートフォンなど製品のライフサイクルが短く、サプライチェーンも即座の対応が迫られる。しかし、JDIは技術力は高いものの、市場の変化に対する反応が遅いというのが業界の定評だった。
 TDI誕生によって、韓国のLGディスプレイ(LGD)が打撃を受ける他、台湾の中小型パネルメーカー、瀚宇彩晶(ハンスター)や中華映管(CPT)などが苦戦に陥ると影響が予想されている。
 JDIは、中国など新興市場の開拓加速と同時に、低温ポリシリコン(LTPS)やインセルタッチパネル技術を活用し、ハイエンド製品を中心とする既存顧客との関係をさらに強化すると強調した。
 あるサプライヤーは、鴻海精密工業の郭台銘董事長がシャープとの提携で中小型パネルのハイエンド技術を購入しようとしたがうまくいかず、TDI設立は鴻海によるLTPS技術獲得につながる可能性があると述べた。JDIはアップルの主力サプライヤーの1社で、許氏は郭董事長の有力な部下でもある。