液晶パネルの主要要素技術を振り返ってきましたが、液晶は残念ながら自分で光を発する(自発光)わけではなく、別の光源を必要とします。その光源としてバックライト技術が同時並行で開発されてきました。
折角の薄型表示バネルなのですから、光源も薄く作る必要がありました。いかに薄くそして効率的な平面光源を作るか? 試行錯誤が続きました。
実はTFT液晶パネルでは、今でもこの光源の数%しか表示に使われていないのです。
開発初期の段階(1980年代)では、この効率はさらに低くなんと2-3%程度、表示デバイスとして必要な輝度を得るために光源輝度の要求はかなりの高水準だったわけです。
当時パッシブ液晶のバックライトにはEL(エレクトロルミネッセンス)なども使われていましたが、TFT用には輝度が全然足りませんでした。
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この要求を満たすため種々の方式が検討されましたが、結局最低限の要求を満たしつつ併せ持つ弱点で妥協できる方式は蛍光管(つまり皆さんの家庭で使われている蛍光灯)しかなく、消去法で採用に至りました。
では当時、蛍光管の弱点は何だったか?
まず一つ目として蛍光管の径が大きく薄型化できないというものでした。
まず一つ目として蛍光管の径が大きく薄型化できないというものでした。
現在世に出回っている家庭用蛍光管の直径は普通のタイプが32.5mm、省エネタイプは28mmといったものです。
当時も似たような状況で、この径をいかに細くできるか?というのが開発のテーマでした。
まず15mm径で事業化・製品化がスタートしました。方式としては冷陰極のみならず熱陰極も採用されました。
それ以降、年々細径のランプが開発され、今現在にいたっては1.8mm径まで細型化が進んでいます。
ここに至る種々の技術改良の過程は次回振り返っていくとして、改善に改善を重ねる日本ランプメーカーの大きな貢献があったのでした。
(当連載はかなり間を置いて更新となりました。もう少しで第一部を終了し、第二部として大型テレビへの展開と技術の歩みを追っていきたいと思っています。)
(当連載はかなり間を置いて更新となりました。もう少しで第一部を終了し、第二部として大型テレビへの展開と技術の歩みを追っていきたいと思っています。)
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