コーニングの曲面ガラス―アップルにとって何を意味するか

インターネット上では、アップルが今、何を開発しているのかを誰もが言い当てようとしているが、最良のヒントはアップルの納入業者からもたらされることがある。 　
コーニングからそんなヒントが1つ飛び出した。 　
今年、アップルが発売するとうわさされている製品の中で最も注目が集まっているのが腕時計型端末「iWatch」と曲面ディスプレーを採用したスマートフォン「iPhone」だ。ともに曲面ディスプレーが欠かせないとみられるが、アップルの既存の製品の中には曲面ディスプレーを採用した製品はない。

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だからこそ、コーニングのニュースは注目に値する。コーニングは3日、 傷やヒビに強い「ゴリラガラス」を曲面化する技術を開発、今年中に量産開始を目指すと発表した。
同社はアップルなどスマートフォンやタブレット型端末のメーカーに製品を供給している。 　ゴリラガラスは初代iPhoneの開発に貢献した製品。故スティーブ・ジョブス氏は製品発売まで1年もない時点でコーニングと連絡をとり、iPhone向けに強化ガラスの生産開始を依頼した。 　
コーニングの「ゴリラガラス」はもともと、1960年代に戦闘機のコックピット用に開発された。アップルはiPhoneのカバーガラスにアクリル樹脂を採用する計画だったが、ゴリラガラスが採用された。
アップルはiWatchや曲面ディスプレーのiPhoneにもゴリラガラスが採用することがあるのだろうか。 　曲面ディスプレーを搭載した携帯型端末には生活による消耗に耐えられる丈夫で軽いガラスが必要になる。しかも、アップルの新製品に対応できるような量産のニーズを満たさなければならない。 　
コーニングで3次元のゴリラガラスを担当する製品マネージャー、スコット・フォレスター氏は3次元化技術を採用すればこれまで以上に効率よく、安価に曲面ガラスを生産できるようになると述べた。75度から80度曲がったガラスを作ったり、ガラスを「驚くような形」に変えたりすることができるという。 　
韓国のサムスンやLGは最近、ゆるいカーブの曲面ディスプレーを搭載したスマートフォンを発売したが、コーニングのガラスはそうしたディスプレーをはるかにしのぐもにになりそうだ。 　
フォレスター氏によると、最終的にはスマートフォンのプラスチック製や金属製の枠にガラスが採用されたり、ボタンがタッチスクリーンに代わったりする可能性がある。 　フォレスター氏はゴリラガラスの3次元化技術について、「機械の操作方法を一変させる。新たなデザインを可能にする要素の1つだ」と話している。 　
フォレスター氏はアップルにこの新しいガラスを納入するかどうかについてはコメントを控えたが、携帯型端末の新しい形を可能にするものとして、多くのメーカーがこの技術を求めていると述べた。 　アップルは昨年11月、米アリゾナ州に透明材料サファイアを製造する工場を建設すると発表した。サファイアは透明でガラスより傷がつきにくいため、携帯型端末に採用されることが多い。アップルが申請した特許によると、傷に強いディスプレーの生産にサファイアが使用される可能性がある。