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華碩電脳(ASUS)は7日米国で、本体価格が4インチ版でわずか99米ドルのスマートフォン新機種、「ZenFone」シリーズを発表した。コストパフォーマンスを武器に、スマホのロー~ミドルエンド市場での足場固めを狙う意欲作だ。同社はスマホ市場に参入して既に久しいが、「ZenFone」の売れ行きは事業の成否を占う上で重要な意味を持ちそうだ。8日付工商時報が報じた。
スマートフォンは、ハイエンド市場が飽和する一方、ロー~ミドルエンド市場では中国の北京小米科技が3,999台湾元(約1万4,000円)で販売した「紅米」が品薄になる人気となるなど、コストパフォーマンス次第で十分な開拓余地があるとみられている。
 同日米ラスベガスで開幕した家電見本市、コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)でZenFoneを発表した施崇棠ASUS董事長は、「価格、機能、性能、外観で妥協せずに開発し、ASUSの長年の技術を全て結集した」と強調した。
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 4インチは入門機種に当たり、OS(基本ソフト)にアンドロイド4.3を採用。ディスプレイは広視野角IPS方式の液晶パネル、プロセッサーはインテルの1.2ギガヘルツ(GHz)Atomデュアルコア「Z2520」だ。背面側に500万画素、前面側に30万画素のカメラを搭載する。カラーはブラック、ホワイト、レッド、イエロー、ブルーの5色だ。
 上位機種として、背面側800万画素カメラが通常より400%明るく撮影できる「ピクセルマスター」機能を搭載した5インチモデル(149米ドル)と、1,300万画素カメラにASUS独自の音響機能「ソニックマスター」を搭載した6インチモデル(199米ドル)も発表した。5、6インチはブラック、ホワイト、レッド、シャンパンゴールドの4色を展開する。生産は和碩聯合科技(ペガトロン)と緯創資通(ウィストロン)が行い、コスト削減のため一部に中国メーカー製の部品を採用した。
 また、「ZenUI」と名付けられた独自のインターフェース(UI)を搭載しており、「What's Next」機能で先々の予定などを表示することが可能だ。3月に台湾と中国で先行発売し、東南アジア市場にも順次投入する。5月には欧米や中国市場向けにLTEとTD-LTE対応版の発売も予定している。
 施董事長は今年のスマートフォン出荷目標について、昨年実績(150万台)の3倍以上となる500万台と表明。今年は製品トレンドや販売チャネルの変化に対応するため、ブランドの再確立とデジタルマーケティングに注力するとの考えも述べた。
 ASUSは、これまで「タブレット型パソコンとの合体」を前提したスマホ製品に注力してきたが、今年は「純スマートフォン」7機種を含む、計10機種以上を投入する予定だ。沈振来・同社執行長(CEO)は、1,000人以上の研究開発(R&D)部門を抱えているが、ペースが追い付かないため、下半期から中国の受託生産メーカーへ委託する可能性も排除しないと述べた。