電子機器の受託生産大手、和碩聯合科技(ペガトロン)の童子賢董事長は19日、アップルが今年中に発売するとみられているスマートフォンiPhoneの大型機種を受注したことを示唆した。同社は2008年の華碩電脳(ASUS)からの分社後着実に力を付け、アップル製品の受注拡大によって昨年は売上規模が電子製品受託業界2位に躍進。今年の見通しも明るそうだ。20日付工商時報などが報じた。
大型iPhoneの受注観測について記者から質問を受けた童董事長は「特定顧客の話は答えられない」と前置きした上で、「大型ディスプレイのスマートフォンが出たら買いますか?」と逆に質問で返した。このことから直接の回答を避けたものの受注獲得を暗示したとの見方が広がっている。
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昨年第4四半期には、アップルがペガトロンに対し、新製品向けに生産ラインを確保するよう通知したとも伝えられている。童董事長はまた、傘下で金属筐体を手掛ける鎧勝控股(ケーステック・ホールディングス)が生産設備購入を検討していることを明かしたことから、ケーステックも大型iPhoneの受注を獲得したとの観測も浮上している。
ペガトロンは昨年通年の連結売上高が9,505億台湾元(約3兆2,800億円)と過去最高を更新。2010年の5,300億元からわずか3年で1.8倍に成長し、業界で広達電脳(クアンタ・コンピュータ)を抜いて鴻海精密工業(3兆9,500億元)に次ぐ2位に付けた。記者からは「次の目標は鴻海超えか」との質問が挙がったが、童董事長は「順位には興味がない。台湾メーカー各社が競争の中で成長を続けられればよい」と語った。
一方、程建中執行長は、昨年は品質や管理水準の向上を追求し、生産効率が上がったことが自然と業績好調につながったと指摘。今年も引き続き生産ラインの自動化(オートメーション化)に取り組む考えだ。中国で労働者不足が深刻化していることもあり、自動化推進によって必要労働者数を毎年10~15%削減したい考えだ。
また、各製品の出荷見通しについては、iPhoneを主力とする通信製品とタブレット型パソコン、ゲーム機などのコンシューマー製品は成長するとの見方で、ノートPCは1,400万台規模を維持すると説明した。順調にいけば全体利益が昨年を上回るとみている。証券会社は通年連結売上高は1兆元の大台を軽く上回るとの予測を示した。
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