コニカミノルタ アドバンストレイヤーカンパニー OLED事業部 技術開発部 共通技術開発グループリーダー 森川雅弘氏は1月30日、電子情報技術産業協会(JEITA)主催のナノエレクトロニクス技術フォーラムにおいて、自社の照明用有機EL(OLED)の開発状況について説明した。
他の照明デバイスと遜色のない性能を実現するための全リン光発光層の開発では、青リン光ドーパントのポテンシャルを引き出し、寿命を改良するホスト材料の開発に成功。プラズモンロスの低減や内部・外部の光取り出し技術の向上により、1000cd/m2の輝度で103 lm/Wの高効率化を実現している。
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印刷方式による透明電極の開発では、低シート抵抗と光透過率の向上を両立させ、150mm角の大面積OLEDパネルを試作済み。独自のハイバリア多層構造設計によるバリアフィルム「Flexent」は、同時多層塗布や真空気相成膜、大気圧気相成膜などの製造プロセスにより、OLED向けで必要とされる1E-6オーダーの水蒸気透過率を実現。
ダークスポットの成長速度も極めて遅く、PEN/PET/PC/FRPなど様々なプラスチック基材に対応可能で、OLEDデバイスにフレキシブル性を持たせることができる。
また、同社は製造コスト低減に寄与するロールtoロール塗布技術による塗布型OLEDのパイロットラインを導入済み。塗布型OLEDの製造上、最大のネックは「いかに下地を溶かさずに塗り重ねるかがポイント」(同氏)で、外部光取り出し効率と寿命に関しては、ホスト構造と塗布乾燥プロセスの最適化を進め、「オール蒸着による性能をオール塗布がキャッチアップしつつある」(同氏)と語った。