LCDガラス基板は技術的に参入障壁が高いにも関わらず、中国新興メーカーによる積極的な参入が続いています。
13年3QではBOE・CPT・Innolux・Tianma・SVAFFなどがG6以下のガラス基板を新興メーカー(彩虹,東旭)から購入しています。
資本関係も複雑でIrico (彩虹)には中央政府の資本が入っているようです。
Tunghsu(東旭)の情報はホームページから解析できますので、時間のある方は是非目を通してください。
新興ガラスメーカーにとって最大の課題は、生産能力に対して出荷をいかに素早く立ち上げるかにかかっています。
納入の実績はあるものの限定的で、現状の少ない出荷数のままでは累積赤字が膨大に積み上がってしまいます。親会社や政府が際限なく支援するとも思えません。
中国政府は2014年から、LCDガラス基板の輸入関税を引き上げています。
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従来はすべての世代で4%であったものが、2014年以降ではG6以下の基板サイズで6%に変更されています。
G7以上の基板サイズでは4%を維持。新興ガラスメーカーの出荷が伸びないことへの援護射撃と思われます。
しかし、中国は台湾とECFA(Economic Cooperation Framework Agreement, a free trade agreement) を締結しており、台湾からの輸入は関税フリーとなっています。実質の影響はないものの、中央政府が関税を引き上げたことで、政治的な圧力が加わり中国パネルメーカーは新興ガラスメーカーからの購入を増加させる動きに出ると予想されます。
既存の大手ガラスメーカーも手をこまねいているわけではありません。
Corningはすでに北京に窯を投資しており、中国でのシェアが高くなっています。
旭硝子はシンセンに研磨工程を投資しています。また日本電気硝子も先日、中国への窯の投資を表明しました。
中国地場の液晶ガラスメーカーへの包囲網は狭まっています。
Irico (彩虹)
Size (Line数) 拠点 生産能力
Gen5 (x4) Xianyang 172k/M
Gen5 (x3) Zhangjiagang 130k/M
Gen5 (x1) Hefei 198k/M
TungHsu (東旭)
Size (Line数) 拠点 生産能力
Gen5 (x4) Zhengzhou 248k/M
Gen5 (x4) Zhengzhou 248k/M
Gen5 (x3) Shijiazhuang 500k/M
Gen6 (x1) Yingkou 9k/M
Gen6 (x1) Wuhu 50k/M
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