パナソニックは液晶パネル事業の再建に向け、兵庫県姫路市にある同パネル工場の運営子会社を3月末に99%減資する。累積損失の補填に振り向け、累損を昨年3月末の5616億円から4557億円に減らす。経営効率を高めるほか、税負担を減らす。同社は昨年末にプラズマパネル生産から撤退しており、残る液晶でもテレビ向けから採算性の高い中小型へシフトを進め、テレビ事業全体の黒字化を目指す。
減資するのはパナソニック液晶ディスプレイ(兵庫県姫路市)。パナソニックが92%、日立製作所が5%、そのほか部材メーカーが3%出資している。昨年3月末で資本金が502億円、資本剰余金が561億円あったが、資本金を5億円に、資本剰余金をゼロに減らす。日立など他の株主も賛同しているもよう。
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液晶パネル価格の下落で2013年3月期の同子会社の売上高は697億円とピークの11年3月期から4割減。最終赤字が続き累損が膨らみ、昨年3月末に4550億円の債務超過に陥っていた。減価償却が進んで総資産も減っていることから減資に踏み切る。資本金に応じて決まる法人事業税の負担を減らす効果も見込む。
姫路工場の昨年10~12月期の稼働率は約5割。今後、タブレットや医療用モニター、車載用など採算性の高い中小型の比率を高める。テレビ以外の売上高の比率は13年4~12月期で約6割だが、早期に8割としたい考え。
コスト削減も徹底する。現在は別々の液晶パネルの開発と生産の拠点を4月に統合。大阪府茨木市の拠点にいる400人弱の開発要員を姫路工場に移し、業務を効率化する。生産ロスや原材料コストの削減にも取り組む。
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