シャープが年内にも、米クアルコムと共同開発した次世代パネル、MEMS(メムス=微小電子機械システム)ディスプレーの量産を始める見通しになったことがわかった。関係者によると、シャープの米子工場(鳥取県米子市)で商業生産ラインの立ち上げに入った。
今年1月現在、クアルコムはシャープに2.4%を出資する第3位株主。両社は2012年12月に資本提携し、シャープは13年6月までに総額108億円の出資を受けた
MEMSディスプレーの共同開発は、米子工場の研究開発ラインで、クアルコムが持つMEMS技術に、シャープのIGZO技術を取り入れて進めていたが、このほど実用化にめどが立ったと判断した。商業生産にあたっては、シャープは当初、自社のモバイル端末向けの供給から始め、他社販売にも用途を開拓していく。
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MEMSディスプレーは、現状の液晶や有機ELよりも、省電力で鮮やかな映像表示が可能で、熱さや寒さなど幅広い環境温度に対応し、屋外での利用に強さを発揮する見込み。産業用タブレット端末や自動車ディスプレーなどの用途に期待が高い。
機械的なシャッターの開け閉めでバックライトの光を制御して映像を表示する仕組みで、液晶で使われる偏光板やカラーフィルターの部材が不要で材料コストは安く済む。ただ、品質や量産技術が難しく、トータルなコストが下がるかどうかは未知数。
シャープは、昨年秋に、7インチのタブレット端末サイズのMEMSディスプレーの試作機を公表していた。