LG電子は29日、実質価格が399万ウォン(約41万円)と低価格の有機ELテレビを韓国で発売した。米国や欧州でも順次、販売する。有機ELテレビは高画質だが価格が高いのが弱点だ。昨年発売した同タイプの商品は1500万ウォンだった。LGは消費者が買いやすい価格帯にも品ぞろえを増やして市場拡大を目指す。
 発売したのは画面サイズが55型で、両サイドが前に出る形に湾曲した曲面タイプだ。画面の厚みが5ミリメートルと薄い。解像度はフルハイビジョン級で、フルハイビジョンの4倍の画素を持つ「4K」テレビなど最先端品に比べるとやや劣る。
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 有機ELテレビは有機材料を使う画素自体が発光して画像を作る仕組みで、液晶テレビに比べて色の表現力が高い特徴がある。将来的には生産工程を大幅に簡素化できる可能性もあり次世代テレビの候補の一つとされる。大型テレビではLGが2013年に初めて商品化した。

  一方で、有機ELパネルは生産効率が悪いため価格は高くなりがちだ。LGはグループ会社であるLGディスプレーの生産技術改善によりコストを引き下げたよ うだ。今回の新商品は一部の高機能液晶テレビよりも安い水準で価格競争力は大幅に向上した。ただ、液晶テレビでは機能次第で10万円台の商品もある。

  米調査会社のNPDディスプレイサーチによると有機ELテレビの世界出荷台数は13年の全メーカー合計で4000台。14年も10万台程度にとどまる。テ レビ世界最大手のサムスン電子は一度は参入したが商品投入を中断し、日本勢も様子見を続けている。独自商品として有機ELテレビに注力するLGの低価格品 発売で市場拡大に弾みがつくかが注目される。