10日付蘋果日報によると、グーグルが来年発売するとみられるタブレット端末、「ネクサス10」は華碩電脳(ASUS)が3回目の提携パートナーとなりそうだ。グーグルは今年11月に宏達国際電子(HTC)と提携で8.9インチ「ネクサス9」を発売したが、399米ドルからのやや高価格で、タブレット市場の成熟期入りもあり、販売が伸び悩んでいる。
グーグルはハードウエア市場撤退のうわさも出ていたが、ASUSの設計力で巻き返しを狙うようだ。
業界の観測では、ネクサス10の本体価格は199米ドル以下、グーグルの最新基本ソフト(OS)「アンドロイド5.0(愛称・ロリポップ)」を搭載する。アンドロイドと「グーグルクロームOS」を統合したユーザーインターフェース(UI)も計画しているとされる。
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 タブレット市場は、来年アップルが「iPad Pro」の商品名で12インチ以上の機種を発売するとみられ、大型機種の競争が激化する見通しだ。グーグルはネクサス10で、大型機種でもアンドロイド市場シェア拡大を狙う。
  ASUSはタブレットとしてもノートPCとしても使える「トランスフォーマーブックT100」が絶好調で、今年220万台以上の販売が予想されている。来 年デタッチャブル(着脱式)機種が人気を集めるとみられていることも、グーグルがASUSを選んだ理由で、キーボード付属も検討しているもようだ。
 電子時報系の市場調査会社、デジタイムズ・リサーチは、ネクサス10の出荷台数は来年通年で280万台と予測している。
 一方、ASUSの広報担当者は提携観測に関し「ノーコメント」としている。
  グーグルは2010年、アンドロイド市場シェア拡大を狙い、OEM(相手先ブランドによる生産)メーカーと手を組み自社ブランド、ネクサスシリーズを立ち 上げた。まずスマートフォンを手掛け、その後参入したタブレットではASUSが低価格機種、サムスン電子が上位機種の最初のパートナーに選ばれた。
  ASUS提携の初代ネクサス7は12年7月の発売以来、品切れとなるほどの人気で販売総数は700万台に上り、グーグルの自社ブランド端末で最高の売れ行 きとなった。グーグルは同じOEMメーカーと提携しないという不文律を破り、翌年2代目ネクサス7でもASUSと手を組んだ。13年は中国で山寨機(さん さいき)と呼ばれるコピー商品が出回り、2代目ネクサス7は年間販売台数は300万~400万台と初代ほどは売れなかったが、まずまずの結果を残した。
 ASUSは今年の「ネクサス9」も狙っていたが、受託生産に再び乗り出したスマホ大手、HTCが受注を獲得した。デジタイムズ・リサーチは、年内のネクサス9販売台数は55万台にすぎないと予測している。