中華民国対外貿易発展協会(外貿協会、TAITRA)の梁国新董事長は14日、中国テレビ業界による今年の台湾液晶パネルの調達額が45億米ドルを上回り、過去最高になるとの予測を示した。中国ではパネル生産能力が拡大しているものの、需要が予想以上に強いとの見方だ。15日付蘋果日報などが報じた。
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2009年より毎年中国大手テレビメーカーを含む調達団を率いて来台している中国電子視像行業協会(CVIA)の白為民副会長は今年、5月28日に訪台す る予定だ。パネルメーカーによると、友達光電(AUO)と群創光電(イノラックス)は中国6大テレビメーカー向けの出荷割合がそれぞれ約3割に上る。

  中国のパネル調達額は09年に34億米ドルだったが、13年には45億米ドルまで増加。昨年の調達額は未発表だが、従来見込みの45億米ドルは下回ったと みられる。梁董事長は、台湾パネルメーカーが生産能力の一部を韓国テレビメーカーに振り向けたことで、中国メーカーからの昨年末の追加発注に対応できな かったためと分析した。ただ、パネルメーカーは、生産能力の割り当ては前年末に決める他、緊急受注があっても1?2カ月で対応するのは不可能と指摘し、梁 董事長の分析に懐疑的だ。

 一方、中国パネルメーカーが生産を拡大して以降、台湾からのパネル調達量は年々減少している。昨年は2,700万枚と前年比300万枚減少した。今年もさらに減少するとみられる。

  市場調査会社、ディスプレイサーチは、今年の世界市場全体のテレビ用パネル出荷枚数は2億6,100万枚で、前年比4.82%増加すると予測した。サムス ン電子、LGエレクトロニクス、ソニービジュアルプロダクツ(SVP)などテレビブランドが出荷拡大に前向きで、各種新製品が次々に発表される中、パネル 需要は依然強いとの見方だ。

 今年のテレビ出荷台数予測は2億3,900万台で前年比7%増。パネル出荷の成長率を上回っているが、これはテレビブランドの在庫調整、およびパネルメーカーが大型パネルに注力する中で出荷枚数が減少することが原因だ。

  AUOは今年、第4四半期に第8世代工場で21.6、43インチパネルの生産能力を増やす他、第6世代工場で65インチの生産も拡大する計画だ。一方、イ ノラックスは第6世代工場で39.5、65インチを増産する。両社とも65インチ拡充で中国、韓国の第8世代工場の55インチに対抗する。

 この他、39インチパネルについてAUOは減産し、イノラックスは生産を停止する見通しだ。また両社はモニター用パネルの生産能力の一部をテレビ用に振り向けるとみられる。