経営再建中のシャープが欧州での太陽電池事業で韓国サムスングループと提携したことが27日、分かった。シャープの太陽光パネルにサムスングループの蓄電池などを組み合わせ、既に家庭向けに販売を始めた。シャープは欧州でのパネル生産から撤退したが、自社ブランドの販売は続けている。
太陽電池のシステム販売は収益性が高く、家電分野で競合するサムスンとも手を組めると判断した。
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 このシステムは、シャープが外部から調達した太陽光パネルに、サムスンSDIの蓄電池と送配電の安全性や効率を高める「パワーコンディショナー」を組み 合わせたもの。日中に蓄電した電気を夜間に有効活用して電気代を節約できるほか、スマートフォンなどで電気の貯蔵量や修理の必要性の有無を確認できる。昨 年12月に英国で家庭向けの販売を開始し、今後は欧州各地に広げていく。
 シャープは太陽光パネルの価格競争に伴い、欧州でのパネル生産から撤退 したが、外部調達のパネルを品質保証する形で自社ブランド販売を継続。パネル販売単体では利益が出づらく、蓄電池を含めたシステム販売への転換を進めてい る。ただ、自前で蓄電池は手掛けておらず、欧州でブランド力のあるサムスンとの協業に踏み切った。
 シャープはサムスンと薄型テレビやスマホなどデジタル家電で激しく競合する一方、2013年には103億円の出資を受け入れ、サムスンのテレビ向けに液晶パネルを供給している。
 シャープの太陽電池事業は新設住宅着工の減少などで収益が悪化し、14年9月中間連結決算では2億円の赤字を計上。15年3月期も赤字に転落する恐れがある。電力会社各社が再生エネルギー買い取りを制限する動きもあり、国内でも同様の提携が進む可能性もある。