2014年での大型OLEDパネル量産メーカーは、実はLGディスプレイ只一社だけだ。
2013年には、多くのメーカーが大型OLEDパネル生産に意欲を示し開発に挑んだが、今年に入り、予想より低い歩留まり率と高コストのため量産開始を躊躇するメーカーや、歩留まり率の確保と低コストの達成までは量産の具体的な計画は立てないというメーカーも出てきている。多くのパネルメーカーが大型OLEDパネル事業に消極的になっている。
OLEDは理論上では、自発光素子としてLCDより単純な構造を持ち高性能を有する。
にほんブログ村 ニュースブログ ITニュースへ
にほんブログ村


しかし現在までに開発されたOLED工程と材料だけでは、未だLCDより性能が高いとの判断は早計だ。LCDの課題であった色の再現性、視野角、曲面パネルの実現などが急速に改善されてきている。
又、10年以上にわたり構築されたLCD産業の豊富な供給先と価格競争力は量産に入ろうとするOLED産業の立ち位置を脅かす。
大型OLEDパネルメーカーは今後、LCDの生産性と価格競争力を確保し、LCDとの性能差別化が可能な新しい工程と材料の開発が必要になる。
現 在TVパネルを開発しているメーカーはSoluble PrintingとFlexible Substrate工程を組合せる技術を協力して開発中だ。 その中のSoluble Printingは有機発光層を溶液印刷工程で処理し有機物の使用効率を高め、熱蒸着の生産性を上げることで注目されている。
又、Flexible Substrate技術はGlass Substrateでは不可能なBendableとFoldableTVを可能にすると見られ、今後のテレビ市場革新材料としても期待されている。
しかしこのような大きな要素技術の確立から量産化には一般的に長期の期間を要する。管理人の見立てでは、要素技術の選定が終わってから要素技術評価・量産装置の開発・導入、そして量産性評価に少なくとも5年はかかると推定している。
さらにその間にLCDの進化が進むことも想定しなければならない。
数年後の比較でもOLED TVの性能面での優位性と価格競争力の確保が成否のカギとなり、洞察力を伴った開発が求められている。