ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀(モリス・チャン)董事長は9日、最近競争力向上が伝えられる中国のいわゆる「紅色サプライチェーン」について、「(TSMCとは)まだ競争にもならない」との見方を示した。半導体産業は資金力と政府の支援だけでなく、技術の積み重ねが必要なことを理由に挙げた。
アップルに供給する金属筐体最大手の可成科技(キャッチャー・テクノロジー)など複数のハイテク大手のトップも、技術革新を続ける限り中国メーカーは恐れるに足りないとの認識で一致した。10日付工商時報などが報じた。


張TSMC董事長は株主総会の後、中国メーカーによる「紅色サプライチェーン」の脅威について報道陣に問われ、中国政府が地場企業支援に本腰を入れている が、台湾に追い付くのは容易でないと話した。過去10年、台湾はむしろリードを広げており、パッケージング・テスティング(封止・検査)でも台湾は先進製 造プロセスで優位に立っていると述べた。IC設計分野では、中国が確かに台湾を追い上げているが、聯発科技(メディアテック)は強いと語った。