液晶パネル用ガラス基板事業への、中国メーカーの参入が相次いでいる。その代表例が東旭集団(Tunghsu Group)だ。液晶パネルだけでなく、その部材の供給体制も中国に整いつつある。東旭集団 副総裁の王建強氏に、同社の液晶用ガラス基板事業の現状と、今後の発展戦略について聞いた。
――液晶用ガラス基板事業は、大手4社による寡占状況が長く続いており、参入障壁が高いと言われています。当時を振り返ってみて、参入できたポイントは何だと考えていますか。  第1は、人材確保です。2005年以降、国内外の専門技術者の採用に力を入れてきました。第2は、ブラウン管用ガラス事業のノウハウを生かせたことです。ブラウン管と液晶パネルでは、形は大きく違いますが、ガラスの製造原理においては多くの共通点があります。第3は、国のサポートです。政府が国として、この産業を育成しようとしていました。これが追い風になり、国の支援を得ることができました。


――2015年の事業目標は。  第1は、一層の生産能力拡大です。2015年は、第6世代ガラス工場を4ライン、第5世代ガラス工場を1ライン、それぞれ稼働させます。この結果、生産能力は前年比30~40%増となる見通しです。  第2は、品質向上です。日本のガラス基板メーカーに比べると、我々の生産安定性や製造歩留まりは、まだ一定の差があります。そこで、研究開発センターを作り、人材をそろえて、品質を向上させる考えです。顧客の要求に応えられるように、改善を進めます。
――想定顧客は中国メーカーですか。  はい。中国市場はとても大きいので、中国国内向けの事業を想定しています。自国なので市場の特徴もよく理解できており、顧客の要求に柔軟に対応しやすい優位性もあります。また、政府からも支援も得やすいという面もあります。
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