中小型液晶パネルメーカー、中華映管(CPT)は5月のタブレット端末用パネル出荷量が約300万枚で、世界2位に躍進した。サムスンディスプレイ、LGディスプレイ(LGD)を抜き、首位の京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)に続いた。5インチ以上の大画面スマートフォン「ファブレット」の人気からタブレット需要に陰りが見られる中、中華映管の林盛昌総経理は、量より利益重視で製品を選別し、今後は車載用パネルを強化すると方針を示した。16日付電子時報が報じた。
中華映管は5月、タブレット用パネル市場でシェアが16.9%に拡大した。7インチパネルの出荷急増が主因だ。主な顧客は華碩電脳(ASUS)、中国のホワイトボックス(ナショナルブランド以外の総称、中国語は白牌)とみられる。
 一方、首位のBOEは出荷量400万枚でシェア23.9%、サムスンとLGDはそれぞれ出荷量200万枚余りでシェア14.3%、13%だった。


 中国の市場調査会社、CINNO Researchによると、5月の世界全体のタブレット用パネル出荷枚数は1,734万枚で前月比5%減、前年同月比30.4%減だった。「ファブレッ ト」の人気に加え、タブレットの製品ライフサイクルが比較的長く、買い替えが進まないためだ。第1四半期のタブレット用パネル出荷は前年同期比21.8% 減、4~5月の平均は27.6%減と、減少幅の拡大が続いている。
 市場調査会社、ICインサイツの予測によると、今年の「ファブレット」出荷は 2億5,200万台と、タブレット出荷の2億3,800万台を初めて上回る見通しだ。同社は、2014~18年のファブレット出荷の年平均成長率 (CAGR)は40%で、タブレット出荷は3%にすぎないと予測した。
 こうした中、中華映管は今年、タブレット用パネルの売上構成比20%を維 持しつつ、携帯電話用パネルを50%以下に引き下げ、車載用パネルを30%前後に引き上げる計画だ。第2四半期には、従来の▽スマホ用パネル▽タブレット 用パネル▽車載用パネル▽タッチパネル──に加え、モノのインターネット(IoT)、インダストリー4.0(第4次産業革命)向け部門を立ち上げた。
 同社の現在の売上構成は、▽タブレット用パネル、20%▽車載用パネル、25%▽携帯電話用パネル、50%──で、残りはタッチパネルだ。