panel_2 液晶パネル大手、群創光電(イノラックス)が第8.6世代工場の設置を計画していることを受けて、中国の液晶ディスプレイ組み立てメーカー、恵科電子(深セン、HKC)およびパネル大手の南京中電熊猫液晶顕示科技(南京CECパンダLCDテクノロジー)も、8.6世代ラインの設置を検討しているもようだ。
アナリストは、より多くのメーカーが8.6世代ラインを設置し、市場全体の生産能力を増やした方が、イノラックスの独自サイズ出荷に有利に働くとの見方を示した。22日付工商時報が報じた。
イノラックスの8.6世代工場は高雄市路竹に設置し、来年第3四半期に量産予定で、月産能力は当初4万?5万枚(ガラス基板投入ベース)の計画だ。使用されるガラス基板は2,250×2,600ミリメートルで、8.5世代の2,200×2,500ミリよりやや大きい。


イノラックスは、8.5世代ラインで切り出せるパネルの最大サイズは98インチだが、8.6世代では100インチまで可能と指摘。40インチから100イ ンチまで5インチ刻みで製品ラインアップをそろえ、量産後はまず既存の50インチを主力とし、同業の49インチに対抗する他、新サイズの45インチも投入 して同業の43インチと競う方針だ。
 HKCは昨年末、中国重慶市に8.5世代ライン1本を新設することで同市政府と契約を交わしたが、8.6世代に切り替え、2017年半ばに稼動させるようだ。また、CECパンダも8.6世代工場の新設を視野に四川省政府と交渉中とされる。
  業界アナリストは、イノラックスが計画する8.6世代工場の当初の生産能力は小さく、独自サイズに注力すれば、川下顧客が十分な量を調達できないと懸念を 抱くと予想。中国2社も8.6世代ラインを設置すれば、全体の生産能力が拡大し、イノラックスは独自サイズを売り込みやすくなると分析した。
 中 国では今年、8.5世代工場8基が稼動している。中国パネルメーカーは、生産能力が小さかった以前は32インチ製品の生産に集中していたが、生産能力の拡 大に伴い、48、55インチなどより大型のパネル開拓を始めており、イノラックスと友達光電(AUO)は、中国メーカーとの差別化を図るための技術力が問 われている。
 イノラックスとAUOは8.5世代工場の生産能力では中国メーカーに劣るものの、中国にはない6世代、7.5世代工場を持ち、各世代ラインで異なるサイズのパネルを経済的に切り出すことで、中国製品との差別化を図り、価格競争を回避してきた。
  しかし、中国の京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)は今年4月、8.5世代と10.5世代工場を1基ずつ建設すると発表した他、HKC、CEC パンダ、深?市華星光電技術(CSOT)なども新規投資を計画しており、早ければ17年以降に相次いで稼動する見通しだ。
中国メーカーが生産能力の拡大を 通じて生産可能な大型パネルのサイズが増え、中小型パネルへの投資も拡大すれば、パネル業界の市場競争がさらに激化すると懸念されている。


中国-液晶・有機EL工場+ガラス工場、投資・計画状況一覧にこの情報を反映し更新しました。