リボンディスプレイジャパン(京都市下京区、須山透社長は、熱抵抗を従来比で40%低減した高精細の「4K」テレビ用液晶ドライバーICを開発した。熱抵抗を50%まで減らすめどもつけており、2016年6月までに量産化を目指す。テレビ1台に使うIC数を半減でき、高精細化が進む液晶テレビの低価格化や高機能化に役立つ。



 液晶ドライバーICは「ソースドライバー」と呼ばれ、液晶に電圧を加える信号線を駆動する。フルハイビジョン(FHD)の4倍の解像度を持つ4Kテレビ の場合、信号線は1万1520本ある。従来のICは1個で960本の信号線を駆動できるが、負荷に耐えられず熱破壊が起きるため、これを2個で分担する。 その場合、4Kテレビ1台当たりのICは24個必要になる。
 新たに開発したICは、シリコン製ICチップ下面の封止用エポキシ系樹脂に代え、放 熱性を高める充填材(フィラー)を配合した樹脂を塗布し放熱性を改善。熱抵抗が50%低減できれば駆動時に従来の2倍の負荷に耐えられ、4KテレビのIC 個数を従来の半分の12個に減らすことが可能だ。
 今後、量産工程の効率化を進めて製造原価を抑え、テレビ1台当たりの同ICのコストを2―3割減らすのが当面の目標。