LG OLED 2015 AugAppleのサプライヤーである韓国LGディスプレイが現地時間17日、次世代OLED開発のために今後3年間で10兆ウォン(約1兆円)を投じると発表しました。Bloombergが報じています。
LGディスプレイは今後、小型のOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイの開発へと投資を集中させていく意向を明らかにしました。同社は柔軟性のあるフレキシブルディスプレイやテレビなどの大型ディスプレイのほか、車載用やウェアラブル端末向けに小型ディスプレイを製造しています。
ウェアラブルといえば、現行のApple Watchのディスプレイを独占的に供給しているのに加え、第2世代についても同社が独占受注したと伝えられています。



Bloombergは、今回OLEDへの投資、特に小型ディスプレイ重視を発表した背景には、中国メーカーの技術革新と追い上げ、またテレビなどの大型ディスプレイへの需要が低迷している現実があると指摘しています。
 
LGディスプレイのハン・サンボムCEOはステートメントにおいて、
「投資はLGディスプレイを持続可能な企業として成長させることを目的としたものだ。ディスプレイ業界における当社のリーダーシップを維持し、競合他社を寄せ付けないためにも、この未開発のOLED市場を開拓していく」
と述べています。

調査会社DisplaySearchによれば、世界のOLED市場は昨年の87億ドル(約1兆円)から、2022年までには283億ドル(約3兆5,200億円)へと成長する見通しです。
しかし中国企業がLGディスプレイを激しく追い上げています。北京を拠点とするBOEテクノロジー・グループは4月、400億人民元(約7,780億円)を投じて液晶製造工場を設立、2018年に完成予定であると発表しました。
LGディスプレイが7月に発表した第2四半期の営業利益は4,880億ウォン(約513億円)でした。しかし売り上げの伸び率は前四半期の26%から12%へと下落しています。