パナソニックの65型有機ELテレビは欧州のみの展開で価格は9000ユーロ程度(約125万円)になるもようです。
65インチ液晶テレビが日本市場で28~40万円程度ですから、その3~5倍程度になります。
管理人は以前に「OLEDは数年後の性能・価格競争力が必須」と書きましたが、まず第一歩テレビ製品として信頼性は確保できるとパナソニックが判定したのは大きな一歩です。

ただ、いかんせん値段が高すぎますね。販売目標は明らかにしていないですが、同社の品田正弘テレビ事業部長は「独自画像処理技術で、プラズマテレビの画質を凌駕した。プラズマ撤退の影響が色濃い欧州を高画質な有機ELテレビでもり立てる」...といつものセールストークですがこの価格では、ほとんど売れないでしょうね。
有機ELパネルは韓国LG電子製(同技術に一兆円を投資)ですので、中国のSKYWORTHやKONKAと基本的には何も変わりません。SKYWORTHの55型が1万5000元(約28万円)と報道されていますから、サイズが違うとはいえ桁違いに安い価格です。これらはどんな製品になるのか、こちらのほうが興味深いです。



パナソニックとしては、数を売ろうとは思っていないのでしょう。店頭では鮮やかさ(コントラスト感)が際立っていますので高級ブランドイメージを 保持することが第一の目的だと思います。セットメーカーは時にこのようなブランド対策を講じるのでこれを本来の量産と混同するのは危険です。

また管理人がヨドバシカメラで展示されていたLGの有機ELテレビを確認したところ、点欠陥を発見しました。
品質が安定して量産できるのかまだ課題が山積しているのかもしれません。

一方液晶もコントラストや色純度の改善に次々に手を打っています。
広色純度LEDや量子ドット、OLEDが市場に出てくることによってまた画質競争が激しさを増しそうです。
画質のみならず中国の液晶工場投資も積みあがっていて価格の競争も強まり、前に言及した「OLEDは数年後の性能・価格競争力が必須」という視点を再認識したいと思っています。