ジャパンディスプレイ(JDI)が、スマートフォン向け液晶パネルの中国事業を拡大している。2015年4―6月期の同事業の売上高は前年同期と比べ約倍に伸びた。ただ中国スマホは市場全体の成長が鈍化しているほか、新興パネルメーカーが台頭し競争が激化している。柳瀬賢執行役員チーフビジネスオフィサー(CBO)にどうかじを取るか聞いた。



―中国事業は14年度前半は苦戦しましたが、その後は順調に伸ばしています。要因は。
 「主役交代が激しい中国スマホにあって、勝ち組メーカーにしっかり食い込んでいけた。15年度上期(4―9月)としても売上高を前年同期と比べほぼ倍増できそうだ」
―中国スマホ市場は成長鈍化が鮮明です。どう見ていますか。
 「巨大市場であることに変わりはなく、買い替え需要もあり成長は持続する。高機能化が進んでおり、もともとプレミアムゾーンを狙ってきた当社には追い風だ」
―シャープや韓国メーカーに加え、中国、台湾の新興メーカーとの競争が激化しています。
 「高機能化に対応できるLTPSを使った液晶パネルやインセルでは当社が技術をリードしていると自負している。優勢を保つため、差異化技術をいち早く投入していく。インセルの第2世代製品の量産を近く始める」
―中国スマホメーカーには、JDIの現地サポート不足を指摘する声があります。
 「(中国スマホメーカーが集積する)深センに拠点を新設し、開発から製造、販売まで一体化した『製販技』の展開を近く始める。地域密着の手厚いサポートを展開し、既存顧客との関係強化と、新興スマホメーカーとの関係づくりを同時並行で進める」