アジア最大級のディスプレー国際会議「22th International Display Workshops(IDW '15)」が、滋賀県の大津プリンスホテルで2015年12月9日~11日に開催された。ここでは、4回にわたって、筆者が聴講した中からトピックスを選び、独断と偏見を交えて報告する。
アモルファスSi(a-Si)TFTの移動度は0.5cm2/Vs程度であり、フレームレート120Hzでは2K(フルHD)のTFT液晶パネルを駆動するのが限界である。8Kでは画素への書き込み時間が1.9μsと短く、2Kの1/4以下の時間で書き込む必要がある。パナソニック液晶ディスプレイは、STN液晶パネルのように画面を上下2分割して駆動し、さらに「Next-APD(Adaptive Pre-Charge Driving scheme)」と呼ぶ独自の駆動法を用いることにより、120Hz駆動で55型8KのIPS液晶パネルを開発した。


また、高コントラスト比を実現するために、光配向技術と負の屈折率異方性(⊿n<0)の液晶材料を採用した。この結果、コントラスト1850対1で広視野角範囲を実現した。
既存のa-Si TFT液晶パネル製造ラインで製造できるメリットは多大である。ますますIGZO TFTの出番がなくなってきたと、筆者は考えている。
アモルファスSiで120Hz駆動の8K液晶、IGZOの領域に攻め入る