jdi oled biz_fsi-000-1-view中小型液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)は2018年をメドに、スマートフォン(スマホ)用の小型の有機ELパネルの量産を始める。既存の国内工場に生産ラインを整備する。
先行するサムスン電子やLGディスプレーの韓国勢が有機ELの設備拡充を表明しており、JDIも有機ELの供給能力を高めて対抗する。



有機ELはバックライトが不要なため、液晶より軽くて薄く、デザインの面でも柔軟性がある次世代パネルとして期待されている。ただ、品質の安定や採算性が課題となっている。
 JDIは、低温ポリシリコン(LTPS)と呼ばれる素材の技術を進化させ、低電力を実現。22日会見したJDI次世代研究センターの滝本昭雄センター長は「LTPSの技術は海外勢を引き離している」と自信をのぞかせた。

 JDIは14年に石川工場(石川県川北町)で試作ラインをつくり、技術を蓄積してきた。今期以降も有機EL向けの研究開発費を積み増し、量産技術を確立する。量産ラインの設置場所は石川工場を軸として、今後詰める。 
有機ELは米アップルが18年に発売予定のスマホ向けに採用する計画だとされている。パネル、製造装置メーカー、素材といった多様な企業が技術開発と設備投資に向けて動き始めている。

 この日、東京都内で開催された技術展では、18年に量産化を目指す5.2型の手帳型のシート状有機ELディスプレーのプロトタイプを公開。このほか、NHKと共同開発する高精細の17.3型の8Kディスプレーや、車載用曲面ディスプレーなども並んだ。