中華映管(CPT)傘下の中小型液晶パネルメーカー、凌巨科技(ジャイアントプラス・テクノロジー)と中小型パッシブマトリックス型有機発光ダイオード(PMOLED)パネルメーカー、智晶光電(ワイズチップ・セミコンダクター、WSI)は、台湾の工場で春節(旧正月、今年は2月8日)連休9日間を返上して出荷を急ぐ。
両社とも受注が満杯で供給が追い付かないことを受けての措置だ。25日付経済日報が報じた。
パネル市場は大型製品が主力の群創光電(イノラックス)や友達光電(AUO)がオファー価格の下落で減産を迫られている一方、スマートフォンに使用される中小型パネルのオファー価格は1月に1~3%上昇と反転。4~5インチ製品の上昇幅が特に大きかった。



証券会社は、中国の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)や北京小米科技(小米、シャオミ)など、スマホブランドの出荷増で中小型パネルの需要が高 まっていると指摘。中でもジャイアントプラスとワイズチップは車載用、自動化機器用などのニッチ製品も生産しているため、両社の受注は特に好調だという。

  ジャイアントプラスは、上半期の受注は満杯で、中でも車載用、自動化機器用パネルは供給対応の不足が最大20%に達しており、80~90%の顧客の需要し か満たせないと説明した。台湾の前工程工場は春節連休中も生産を続け、中国の後工程工場でも連休を短縮して、出荷の遅れを補う方針だ。第1四半期は例年非 需要期だが、業績は前期比プラス成長を見込む。

 ワイズチップは、顧客が3月に在庫を補う方針のため、春節連休期間も生産を続けると説明。大幅な供給不足で全ての注文を受けられない状態だという。

 ワイズチップは、1月の売上高は過去最高を記録した前月よりは減少しているが、顧客の強い需要が追い風となり2、3月は増収、第1四半期通期では過去最高更新が見込めると期待感を示した。

 一方、市場調査会社は、イノラックスとAUOは春節連休に減産すると予想。証券会社は減産幅を約5~10%と予測した。

  業界関係者は、イノラックスとAUOが台湾の従業員に2月7~10日の休日出勤を要請した場合、残業代を2倍支給する必要があると指摘。大型パネルの価格 下落により生産すればするほど損失が拡大する中、両社はコストを節減するため、一部の設備のメンテナンス要員だけ出勤させ、大半の従業員には休暇を与える と予想した。