米IHSは現地時間2016年3月15日、韓国Samsung Electronics(サムスン電子)のスマートフォン「Galaxy S7」の実機を分解して調査した原価分析結果(推定値)を発表した。それによると、米国向け32GバイトモデルのBOM(Bill of Material:部品表)に基づく部品原価合計は249.55ドルと見積もられる。
IHSが今回調査に使用した端末は米Verizon Wirelessから購入した。組み立てコストを加えると、端末コストは推定255ドルとなる。Verizonでは希望小売価格672ドルで販売している。

 なお、米Apple(アップル)が希望小売価格649ドルで販売している「iPhone 6s」の16Gバイトモデルは、IHSの分解調査による推定部品原価合計が187.91ドルだった。



 Galaxy S7は、2016年3月にリリースされたSamsungの最新フラッグシップ機で、5.1インチのAMOLEDディスプレー(解像度は2560×1440ドット、577ppi)を搭載する。1200万画素のメーンカメラと500万画素のフロントカメラはいずれも明るいF1.7レンズを採用。microSDカードスロットを装備し、IP68等級の防水・防塵機能、指紋認証機能などを備える。

 Verizon版のプロセッサーは米Qualcomm製の最新チップセット「Snapdragon 820」を採用しており、周辺デバイスも含めた原価は推定62ドルと、部品コストの約4分の1を占める。

 ディスプレーおよびタッチスクリーンモジュールはSamsung製で、55ドルと見積もられる。メモリーは、Samsung製の32GバイトNANDフラッシュが7.25ドル、韓国SK Hynix製の4GバイトDRAMが25ドル。カメラモジュールの原価はメーンカメラが13.70ドル、フロントカメラが1.95ドル。3000mAh容量のバッテリーは3.65ドルで、加速度計、ジャイロ、指紋認識などの各種センサーの合計は4.65ドルと試算した。

 米IT(情報技術)系メディアサイト「Re/code」によると、255ドルという端末コストは2年前のモデル「Galaxy S5」とほぼ変わらないという。