京セラは17日、スマートフォンやタブレット端末などに搭載する薄型樹脂基板の増産に向け、100%子会社の京セラサーキットソリューションズ(KCS、京都市伏見区)が京都府綾部市に構える生産拠点に新工場を増設すると発表した。端末の高機能化や薄型化に伴って樹脂基板の需要は伸びており、シェア拡大を図る。2017年春の稼働を目指す。
 05年に操業を始めた京都綾部工場(綾部市味方町)の敷地に第3工場を建てる。2階建て延べ2万5千平方メートルで、年内に完成予定。投資額は約150億円。14年に樹脂基板の生産を始めた第2工場と同規模で、生産能力を2倍に引き上げる。



 薄型樹脂基板は、半導体などを載せた電子回路基板と集積回路(IC)間に挟み、電気信号を伝える役割がある。スマホやタブレット端末に搭載するカメラや無線、制御機器といった各種モジュール(複合部品)向けで需要が拡大している。
 KCSの15年3月期売上高は約530億円。京都綾部工場は同社最大の生産拠点で、現在はパート従業員を含め約500人が働く。京セラは、業務効率化の一環でKCSを4月1日付で本体に吸収する。