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有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)パネルへの期待は過剰ではないか―。米アップルが「iPhone(アイフォーン)」への採用方針を決めたことで盛り上がる有機EL。だが量産には巨額の投資が必要になるだけに慎重な声が出始め、既存の液晶パネルの優位性を訴える意見も目立つ。一方、有機ELはデザインの自由度が高い優位点もある。
12日のJDIの決算説明会。本間充会長兼最高経営責任者(CEO)は有機ELパネルについて「市場がどうなるか分からない。状況を見極めて徐々に投資する」と慎重な姿勢をみせた。  「なぜ多くの人がこれほど有機ELパネルを推すのか?(有機ELを推す)某社の罠(わな)ではないか」―。シャープの買収を決めた台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘会長は過激な表現で有機ELへの期待の大きさに疑問を投げかける。


JDI、シャープも18年以降の量産に向け2000億円規模を投資する計画。それでもこうした発言が飛び出すのは、液晶パネルに対し圧倒的な優位性を見いだせないからだ。  自ら発光する材料を使う有機ELパネルは、画像が鮮明であることや、省エネルギー性が特徴とされてきた。しかし液晶が進化し、これらの利点は薄れている。
液晶に比べ劣勢に立たされる部分もある。画質を左右する高精細化が難しい点だ。有機ELでは型の役割を果たすメタルマスクを用いて画素パターンを形成する。  同マスクは熱による膨張などが生じやすく、パターンを精緻に制御することが難しい。また画素を動かす回路が二つ必要で微細加工には不向き。こうしたことから現状では、1インチ当たりの画素数を示す「ppi」は400程度が限界とされる。
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