銅メッキ 微細メッシュ大阪府立大学の近藤和夫教授(微小めっき研究センター所長)は銅の電解メッキで、タッチパネルの透明電極に有望な線幅1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下の微細メッシュを形成する基本技術を開発した。
メッキで安価に低抵抗メッシュを作れると、12インチ以上の大型タッチパネルに透明電極が普及する可能性が高い。今後、大判化をはじめ商業生産の技術開発で企業との連携を探る。



試作したのは1センチメートル四方のサイズ。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から希少金属代替を目的とした約1億円の助成を受けて開発した。
製法はまず微細線幅のメッシュ版を作り、そのメッシュ版に銅微小メッキを形成し、光学フィルムに転写させる。メッシュ版は酸化インジウムスズ(ITO)と二酸化ケイ素(SiO2)を材料にして半導体製造プロセスと同様に露光装置(ステッパー)を用いて作る。
タッチパネルに十分な透過率を持つ線幅0・7マイクロメートルのメッシュを形成した。 スマートフォンのタッチパネルには透明性導電材料のITOが普及している。
ただ大画面ではより低抵抗の材料が求められ、銅蒸着をエッチングで微細化する方法などが試されている。 ただ製法コストが高く、線幅で1マイクロメートルを切るのは困難とも見られている。近藤教授は今後、貼り合わせ装置や材料のメーカーなどと連携を探り、大判化の技術開発を継続する。