有機ELへの傾倒――。中国のディスプレー産業は今、有機ELへの熱い期待で覆われている。「次世代iPhoneへの採用をきっかけに、液晶から有機ELへのパラダイムシフトが起こる」。これが、中国パネルメーカーに共通する見方だ。  熱気が渦巻く中で、複数の中国メーカーが有機EL新工場を急ピッチで建設している。このうち、中国液晶最大手のBOE Technology Group(京東方科技集団)が四川省成都市に建設中の有機EL工場を視察する機会を得た。
BOEが成都市のG6工場を着工したのは2015年5月。当初は、低温多結晶Si(LTPS)TFTを用いた高精細液晶パネルと有機ELパネルの両方を、スマホ向けに生産する計画だった。ところが、その後、同社は方針を転換。有機ELの専用工場に切り替えた。プラスチック基板による、折り曲げ可能なフレキシブル有機ELディスプレーの量産に全力投球する構えである。


中国でG6工場によってフレキシブル有機ELディスプレーを量産しようとしているのは、BOEだけではない。中小型パネル専業の中国Tianma Micro-electronics(天馬微電子)が湖北省武漢市にG6工場を建設中だ。2017年上期に製造装置を搬入し、同年下期に稼働させる計画。フレキシブル有機ELディスプレーを中心に、月産6万枚(G6基板換算)を製造する予定である。
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