シャープが欧州の中堅家電メーカー、UMC社(スロバキア)にテレビ用液晶パネルを本格的に供給することが13日、分かった。UMCは欧州でシャープブランドの液晶テレビを販売しており、高品質パネルの搭載で商品力の向上につなげる。シャープ側は液晶パネルの販路拡大で、自社工場の稼働率を高める。

 シャープは14年、構造改革の一環として業績不振だった欧州のテレビ事業から撤退し、UMCにブランド利用権を売却していた。これまでUMCのテレビには他社の液晶パネルも使われていた。今後はUMCが販売するテレビの過半にシャープ製の液晶パネルが採用される見通しだ。

 シャープに出資した台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は経営危機時に撤退した欧米のテレビ事業を再び強化する考え。9月にはUMCと資本業務提携をめざすことも発表していた。

 シャープは鴻海と共同運営する大型パネルの生産会社(堺市)などでテレビ向けの液晶パネルを製造している。韓国サムスンなどにも販売しており、UMCへも安定的に供給できれば高い稼働率を維持できる可能性がある。