ジャパンディスプレイは21日、仮想現実ヘッドマウントディスプレイ(VR HMD)専用の3.42型低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイ(LTPS TFT-LCD)を開発し、サンプル出荷を開始したと発表した。
3.42型/解像度1,700×1,440ドット(縦×横)のLTPS TFT-LCD。高精細/高速応答/高リフレッシュレートといった特徴を持ち、VR向けに最適という性能を実現。現在のVR HMD製品に搭載されているディスプレイが持つ課題を解決し、より現実に近い映像を体感できるという。

 現在発売されているVR HMDに使われているディスプレイは、スマートフォン向けディスプレイ技術を流用した製品がほとんどであることから、より没入感とリアリティ向上を高めるため、精細度や応答速度などを向上させたVR向けディスプレイを開発。

 VR HMDではディスプレイとユーザーの眼の間にレンズを配置し、ディスプレイの画像を拡大するため、拡大しても画素の粗さが目立たないように、651ppiの超高精細ディスプレイを採用。さらに、2017年には800ppi以上のディスプレイの開発とサンプル出荷も予定している。

 また、従来のディスプレイでは“動画ぼやけ”が見えやすいという課題を解決するため、90Hzのリフレッシュレートと、3msでの白黒切り替えが可能な高速応答IPS液晶(中間調応答はワーストケースで6ms)、ディスプレイ表示の10%の期間のみバックライトを点灯するブリンキングバックライトを採用。高速な処理により、VR HMDを装着したユーザーの動きを感知してから映像を表示するまでの時間遅延(システムレイテンシー)に占める、ディスプレイの影響の割合も減少できるという。

 表面輝度は150cd/m2(ブリンキングバックライト10%点灯時)、コントラスト比は700:1。