アップルがスマートフォンへの採用を検討する有機ELディスプレー開発の波は、新潟県見附市のキヤノンの子会社にも恩恵をもたらしている。
発光体の膜を基板に蒸着させるキヤノントッキの装置は、現在の有機ELの製造に不可欠となっており、各国のディスプレーメーカーから注文が相次いでいる。同社は2017年も生産能力の拡大を計画する。
キヤノントッキの会長兼最高経営責任者(CEO)の津上晃寿氏が、ブルームバーグのインタビューに応じた。「需要は3年は続く」と津上氏は話し、「当社の生産キャパシティーが問題で納入ができない状況は、早く解消するよう来年も増強を進めていく」と述べた。
有機ELを製造する際には、真空の中で発光体の膜を基板に蒸着させる必要がある。キヤノントッキの製造装置は真空状態の中で大量のパネルを一度に処理することができ、高精細度や生産性でも優れている。大きさは幅約20メートル、高さ約10メートル、奥行きは百数十メートルにもなる。
キヤノントッキは1993年から有機EL製造装置を手掛けており、津上氏によれば、サムスン電子だけではなくシャープやジャパンディスプレイなど「有機ELを事業化しようとしたメーカーほとんどと付き合いがある」という。関係者によれば、鴻海の郭台銘(テリー・ゴウ)会長はシャープの買収決定後、新潟に行き有機ELの装置を買った、とシャープ社員の前で話したという。Move to full article
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