「FPD部材市場」を担当するシニアアナリストの宇野匡氏に話を伺った。
液晶パネルの価格と需要が回復してきたことで、部材の需要も堅調だ。ガラス基板は不足気味で、値下がりも四半期ベースで2%程度に落ち着いている。ドライバーICにも不足感がある。唯一、偏光板は需要こそ堅調だが、参入メーカーの淘汰が進まないため競争が激しく、各社の収益環境が改善していない。
有機ELではフィルム部材の機能統合が進みつつある。フレキシブルを実現するため、バリアフィルムと偏光板などを一体化する取り組みが盛んで、サムスンディスプレーがどんどん先を行っている。サムスンに関しては、タッチパネル機能をディスプレーの製造工程内で作り込んでしまうY―OCTA(ワイオクタ)技術を開発し、技術の機密保持にも余念がない。
日本企業はカラーレジストなど「部材の原料」に圧倒的に強く、その優位性は簡単には揺るがない。例えば、ガラス基板メーカーは中国に東旭など3社程度あるが、中国勢のシェアを足しても3%程度にすぎない。5G/6G向けの出荷は増えているが、生産能力に対して稼働率は3割に届くかどうかという水準で、政府からの支援で赤字を長年カバーしている。Move to full article
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