印刷大手2社の新事業への投資が進んでいる。印刷・出版市場の縮小が続く中、大日本印刷(DNP)と凸版印刷は新たな事業の創出に向けて、1000億円以上の投資を計画。
人工知能(AI)の開発や自動車関連事業などに狙いを定めている。業界縮小に見舞われるたびに“先見の明”でエレクトロニクス事業など新ビジネスを見つけてきた。新たな収益源の獲得と事業の多角化のために再び動きだした。
人工知能(AI)の開発や自動車関連事業などに狙いを定めている。業界縮小に見舞われるたびに“先見の明”でエレクトロニクス事業など新ビジネスを見つけてきた。新たな収益源の獲得と事業の多角化のために再び動きだした。
「今までの事業の延長線としてではなく、全く新しい事業を見据えなければ」―。
“紙の市場”が急減してきた経験を持つことから、新事業への取り組みは早い。金子眞吾凸版印刷社長は「2030年には、ビジネスが大きく変わる」とし、20年度までに新事業創出に1250億円の資金を用意。17年度にはAIなどの活用・開発を行う組織の立ち上げを検討している。また、先端的な取り組みを行うベンチャーの発掘や提携も進める。「印刷会社がやるべきかという内容も考えなければいけない」(同)と大胆に挑戦する意向だ。
DNPもヘルスケアや自動車関連事業などを対象に新規事業の開拓として5年間で1000億円の成長戦略投資を計画している。特に自動運転などが注目される自動車市場への本格参入を狙う。すでに自動車メーカー向けにセキュリティーシステムが採用された。車内で扱う情報の増加に伴い、車内空間のセキュリティーも重要視されている。北島義俊DNP社長は「ソフトウエアなど強みがあるところから参入していく」としている。自動車の部品や部材については、M&A(合併・買収)によりスピード感を持って強化する。
また、17年から人とさまざまなロボットやAI関連機器との間における円滑なコミュニケーションの実証実験を始めた。AIを活用した接客案内の実験も行っている。自然な対話を成立させるAI開発の一環と位置付けている。
印刷業界の双璧とされるDNP、凸版の2社だが、印刷事業自体は、ほぼ電子メディア部門と一体化されている。むしろ印刷技術を応用した印刷事業以外のビジネスが多い。
ただ、近年まで好調とされてきたエレクトロニクス事業も為替の影響やスマートフォン需要の鈍化により、売上高への貢献はやや衰え始めている。北島DNP社長は「半導体フォトマスクなどには多くの投資を行った。現在は既存設備を利活用する段階」と投資には慎重な姿勢を示す。
事業の多様化のためにはスピードがカギになる。車載向けの参入障壁は高く、時間もかかるなど課題もある。ただ、新事業への嗅覚と新たなビジネスを開拓してきた推進力は、ずば抜けている。激変するビジネス環境をしっかり捉えて、従来の印刷会社では考えられない意外なビジネスが、今後登場するかもしれない。
“紙の市場”が急減してきた経験を持つことから、新事業への取り組みは早い。金子眞吾凸版印刷社長は「2030年には、ビジネスが大きく変わる」とし、20年度までに新事業創出に1250億円の資金を用意。17年度にはAIなどの活用・開発を行う組織の立ち上げを検討している。また、先端的な取り組みを行うベンチャーの発掘や提携も進める。「印刷会社がやるべきかという内容も考えなければいけない」(同)と大胆に挑戦する意向だ。
DNPもヘルスケアや自動車関連事業などを対象に新規事業の開拓として5年間で1000億円の成長戦略投資を計画している。特に自動運転などが注目される自動車市場への本格参入を狙う。すでに自動車メーカー向けにセキュリティーシステムが採用された。車内で扱う情報の増加に伴い、車内空間のセキュリティーも重要視されている。北島義俊DNP社長は「ソフトウエアなど強みがあるところから参入していく」としている。自動車の部品や部材については、M&A(合併・買収)によりスピード感を持って強化する。
また、17年から人とさまざまなロボットやAI関連機器との間における円滑なコミュニケーションの実証実験を始めた。AIを活用した接客案内の実験も行っている。自然な対話を成立させるAI開発の一環と位置付けている。
印刷業界の双璧とされるDNP、凸版の2社だが、印刷事業自体は、ほぼ電子メディア部門と一体化されている。むしろ印刷技術を応用した印刷事業以外のビジネスが多い。
ただ、近年まで好調とされてきたエレクトロニクス事業も為替の影響やスマートフォン需要の鈍化により、売上高への貢献はやや衰え始めている。北島DNP社長は「半導体フォトマスクなどには多くの投資を行った。現在は既存設備を利活用する段階」と投資には慎重な姿勢を示す。
事業の多様化のためにはスピードがカギになる。車載向けの参入障壁は高く、時間もかかるなど課題もある。ただ、新事業への嗅覚と新たなビジネスを開拓してきた推進力は、ずば抜けている。激変するビジネス環境をしっかり捉えて、従来の印刷会社では考えられない意外なビジネスが、今後登場するかもしれない。
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