スマートフォンを中心とする情報端末の分野において、中国は、市場としても生産拠点としても存在感を増している。日本は、情報端末の部材のうち、ディスプレイやタッチパネルの出願件数で他国をリードしていたが、近年、韓国・中国の出願件数が急速に増加している。日本は、技術の蓄積のあるこれらの部材に引き続き注力すると共に、最終製品でも市場シェアを確保するために、全く新しいユーザ体験を提供する端末やその部材の技術開発を進めることが期待される。
特許庁は「平成27年度特許出願技術動向調査」において、情報端末の筐(きょう)体・ユーザインターフェースのハードウェアに関する技術の中国国内における特許出願動向などを調査し、その実態を明らかにしました。
日本国籍の出願件数比率は、筐体部品、入力部品に関しては、全体の17%程度に留まっているのに対し、ディスプレイ、タッチパネルに関しては、全体の30%を超えており、筐体部品、入力部品と比較して相対的に日本が注力している分野であるといえます。一方で、ディスプレイ、タッチパネルの出願件数推移を見ると、近年、韓国籍、中国籍の出願が急増しており、日本が追い上げられている状況です。
中国籍の出願人は、他国への出願を伴わない中国のみへの出願が多いという特徴があります。中国のみへの出願は、中国の特許・実用新案の文献調査を行わなければ存在を把握できず、中国のみへの出願の多い分野ほど中国の文献調査で注目すべきと考えられます。Move to full article
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