企業存続の危機に立たされている東芝が昨年12月、保有していた中小型液晶最大手ジャパンディスプレイ(JDI)の株式を売却した。売却額は40億円前後とみられる。
その要因とは、JDIの前身である東芝モバイルディスプレイ(TMD)が抱えていた借金の完済だ。 TMDは早くから米アップルと取引関係を深め、iPhone用の液晶パネルを供給してきた経緯がある。2012年に稼働した石川県の能美工場の建設に当たっては、設備投資に必要な資金1000億円弱(推計)をアップルから借り受け、5年間で返済する契約を結んでいた。
東芝の関係者によると、アップルへの返済はドル建て。当時は1ドル=80円前後だったが、その後円安ドル高が進んだことで、返済するたびに多額の為替差損が発生していたわけだ。 そのため、JDIは営業黒字であっても経常損益、最終損益で大幅な赤字になるという財務上の「欠陥」を抱えてしまい、16年4~12月期においても、同借金による為替差損は実に40億円強に上っている。Move to full article
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