経営再建中のシャープが、液晶テレビを生産する栃木工場(栃木県矢板市)でのテレビの生産を2017年度にも停止する方向で検討に入った。
競争力強化のため親会社の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業グループの海外工場などに生産を移管し、栃木工場は次世代の8Kテレビの開発や試作、アフターサービスに特化する。
人員削減は行わず、営業などへ配置転換する。

 シャープは国内では栃木と亀山(三重県亀山市)の2工場でテレビを生産している。亀山工場では、パネルから組み立てまで一貫生産する全自動ラインを17年度内に設置し、テレビ生産を続ける。全自動生産ラインでは45型液晶テレビから生産を始め、輸送コストがかかる大型テレビも海外に移さず、亀山で生産する。
 シャープは、国内工場で自動化を進める一方、複雑な手作業の多い工程は海外に移す方針で生産拠点の見直しを進めている。