1.事業概要
BOE Technology Groupで生産された液晶パネル(有機ELパネル)は、携帯電話、タブレット、ノートブック、モニター、テレビ、車両ディスプレイ、デジタル情報ディスプレイ、ウェアラブル機器といった幅広いアプリケーションに使用されています。
スマートフォン向けの世界シェアは2014年に20%、タブレット端末向けでは同31%と、それぞれ世界トップになり、また2015年にTV向けでは世界第4位となりました。
その後も生産増強を進め、2017年1月の大型液晶パネル出荷枚数で初めて世界首位となりました。これまで首位だった韓国LGディスプレーを初めて追い抜きました。
売上高の7~8%を研究開発に継続的に投資し特許の獲得にも力を入れています。2013年は4200件以上、2014年は5000件以上の特許を新たに申請しています。使用可能な累計特許総数は3万件以上あるとしています。
車載向けパネルとしてはタッチパネルメーカーのVaritronixを子会社化し同社でモジュール化しTier-1に供給するサプライチェーン強化を進めている。(2017/11/11)
2. 生産ラインの状況
液晶・有機ELの生産工場として稼動中の生産ラインを一覧にまとめます。
また下表には建設中の工場を示します。
北京に①Gen 5 TFT-LCDラインと②Gen 8.5 TFT-LCDライン、成都に③Gen 4.5 TFT-LCD、合肥に④Gen 6 TFT-LCDラインと⑤Gen 8.5 TFT-LCDライン、Ordosには⑥Gen 5.5 AMOLEDライン、そして重慶に⑦Gen 8.5 TFT-LCDラインがあります。
成都に第6世代AMOLEDライン、福州にGen 8.5 TFT-LCDラインを完成した。
また合肥に世界最高レベルの世代ラインGen 10.5 TFT-LCDラインをそして綿陽にフレキシブルOLEDラインを建設中です。
3. 技術
技術面では、Hydis(元韓国現代電子産業LCD部門)が1998年に特許を取得したFFS技術 (fringe field switching)の発展系であるADSDS(ADvanced Super Dimension Switch:アドバンスドスーパーディメンションスイッチ)という技術をベースにしてパネル設計をしています。
4.設立 経緯
2002年、Hydisは韓国現代電子の経営難によりBOEへ売却されBOE Hydisが設立されました。韓国登記のBOE HYDISはそのツケを背負って誕生したことになるのですが、やはり3年連続で赤字を計上、06年上半期も136億円の営業損失を出しました。しかしBOEは一貫して資金投下を行わず、逆に、実質的には韓国の技術集団であるBOE HYDISに対し知的財産権の譲渡を要求しました。
背景には、BOEが04年に設立したTFTLCD製造子会社北京BOEオプトエレクトロニクス(総投資1500億円のうち6割はシンジケートローン、残り600億円の75%をBOEが出資)があり、BOEは北京BOEオプトエレクトロニクスの生産を早期に立ち上げるため、BOE HYDISの従業員を百人単位で引き抜いたのです。
これが現在のBOE Technologyの設立経緯につながっていて、結果として知的財産権を継承できているのです。
資金と中核人材を失い慣性で航行していたBOE HYDISであったが、2006年10月、親会社のBOEによってソウル中央地方法院に法廷管理を申請されました。
Hydisを救済する形の合弁が、結局Hydisから全てKnow howを奪う形になってしまったのです。BOEから見たら当初からそれを狙っていたと思わざるを得ないドラマチックな企業劇でした。
[参考] 台湾、ハイディス元従業員・韓国人による違法集会に「遺憾」 法の遵守呼びかける
・液晶企業の情報は、下記まとめも参考に
●サムスンディスプレイ ●ジャパンディスプレイ ● NLTテクノロシ゚ー
成都に第6世代AMOLEDライン、福州にGen 8.5 TFT-LCDラインを完成した。
また合肥に世界最高レベルの世代ラインGen 10.5 TFT-LCDラインをそして綿陽にフレキシブルOLEDラインを建設中です。
拠点 | ライン名 | 世代(Gen) | 技術 | 生産能力 | 注記 | 参照 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
北京 | B1 |
5G |
a-Si | 60K |
閉鎖予定? |
スマートフォン向け |
|
北京 | B4 |
8.5G |
a-Si | 130K |
TV向け |
||
成都 | B2 |
4.5G |
a-Si | 45K |
閉鎖予定? | スマートフォン・車載 | |
合肥 | B3 |
6G |
a-Si | 80K |
2014年量産 |
スマートフォン向け | |
合肥 | B5 |
8.5G |
a-Si | 110K |
Oxide TV向け |
||
ORDOS | AM-O |
5.5G |
a-Si | 4K |
|||
成都 | B7 |
6G (Half) |
OLED | 48K |
フレキシプル専用 |
2017/5/13稼働開始 | |
重慶 | B8 |
8.5G |
a-Si | 120K |
2015年量産 | Oxide TV向け | |
福州 | B10 |
8.5G |
10K | 150K |
TV向け |
拠点 | ライン名 | 世代(Gen) | 技術 | 生産能力 | 注記 | 参照 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
合肥 | B9 |
10.5G |
a-Si | 90K |
投資400億RMB 2018年量産予定 |
発表記事 |
|
綿陽 | B11 |
6G Half |
OLED |
48K |
2019年量産 7200億円投資 |
記事 |
|
(大連) | (B12) |
8.5G |
a-Si |
||||
(成都) | (B13) |
6G |
LTPS |
3. 技術
技術面では、Hydis(元韓国現代電子産業LCD部門)が1998年に特許を取得したFFS技術 (fringe field switching)の発展系であるADSDS(ADvanced Super Dimension Switch:アドバンスドスーパーディメンションスイッチ)という技術をベースにしてパネル設計をしています。
4.設立 経緯
2002年、Hydisは韓国現代電子の経営難によりBOEへ売却されBOE Hydisが設立されました。韓国登記のBOE HYDISはそのツケを背負って誕生したことになるのですが、やはり3年連続で赤字を計上、06年上半期も136億円の営業損失を出しました。しかしBOEは一貫して資金投下を行わず、逆に、実質的には韓国の技術集団であるBOE HYDISに対し知的財産権の譲渡を要求しました。
背景には、BOEが04年に設立したTFTLCD製造子会社北京BOEオプトエレクトロニクス(総投資1500億円のうち6割はシンジケートローン、残り600億円の75%をBOEが出資)があり、BOEは北京BOEオプトエレクトロニクスの生産を早期に立ち上げるため、BOE HYDISの従業員を百人単位で引き抜いたのです。
これが現在のBOE Technologyの設立経緯につながっていて、結果として知的財産権を継承できているのです。
資金と中核人材を失い慣性で航行していたBOE HYDISであったが、2006年10月、親会社のBOEによってソウル中央地方法院に法廷管理を申請されました。
Hydisを救済する形の合弁が、結局Hydisから全てKnow howを奪う形になってしまったのです。BOEから見たら当初からそれを狙っていたと思わざるを得ないドラマチックな企業劇でした。
[参考] 台湾、ハイディス元従業員・韓国人による違法集会に「遺憾」 法の遵守呼びかける
・液晶企業の情報は、下記まとめも参考に
●サムスンディスプレイ ●ジャパンディスプレイ ● NLTテクノロシ゚ー
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