液晶パネル世界6位、台湾の友達光電(AUO)が27日に発表した2017年1~3月期連結決算は、最終損益が94億台湾ドル(約350億円)の黒字(前年同期は54億台湾ドルの赤字)と大幅に改善した。世界で大型テレビ向け需要の拡大を受け、需給が逼迫し単価が上昇した。
売上高は885億台湾ドルと前年同期に比べ24%増えた。営業損益は120億台湾ドルの黒字(同50億台湾ドルの赤字)に転換した。1平方メートル当たりのパネル単価は421米ドルと2割上昇し、増収と採算性の改善に貢献した。
昨年前半までパネル市場は中国・京東方科技集団(BOE)など新興勢力の安値攻勢で値崩れが発生した。その後は、生産調整や大型パネルの需要増で好転している。
業界の覇権争いで漁夫の利を得た面もある。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業・シャープが共同運営する堺ディスプレイプロダクト(堺市、SDP)が韓国サムスン電子などへの大型パネルの供給を停止。代替のためにサムスンなどがAUOからの調達を増やしたとみられている。
ただ、中国で新工場の稼働が進み、再び需給が緩む兆しがある。「17年下期からパネル単価は緩やかに下落に転じる」(米調査会社、IHSテクノロジーの謝勤益アナリスト)との指摘があった。
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