台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業系の液晶パネル大手、群創光電(イノラックス)が10日に発表した2017年1~3月期連結決算は、最終損益が118億台湾ドル(約440億円)の黒字(前年同期は同85億台湾ドルの赤字)に転換した。テレビ向けの大型パネルの需要増を追い風に、復調が鮮明になった。
 売上高は前年同期比52%増の860億台湾ドルだった。米国やアジアの新興国で大型テレビの販売が好調だ。パネルの需給が引き締まり単価上昇の恩恵が出ている。液晶パネル1平方メートル当たりの単価は399ドル(約4万5千円)と、1年間で34%も上昇した。

 ただ今後は中国のパネル最大手、京東方科技集団(BOE)などが新工場の稼働を予定する。供給増によりパネル単価は今下期から下落に転じるとの見方が強い。

 鴻海・シャープは米国にパネル工場を新設する計画を進めている。群創の王志超董事長は決算発表の電話会議で「群創にもチャンスが増える。協力の形式は確定後にお知らせする」と述べた。