経営再建中のシャープと、親会社の台湾・鴻海精密工業が、米国で大型液晶パネル、テレビの一貫生産工場を立ち上げる準備に入ったことがわかった。
シャープ、鴻海は薄型テレビで中国に次ぐ巨大市場である北米市場に現地生産・供給体制を整え、主力のディスプレー、テレビの事業拡大につなげる。



鴻海グループは、米国で総額100億ドル(約1兆1千億円)超を投じ液晶パネルなどの生産拠点を新設する方針を掲げており、ウィスコンシン州に大型液晶パネル工場を新設することで月内にも合意する見通しとなった。現在、他の複数の州とも大型・中小型液晶パネルや、テレビ組立工場の立地を協議している。


 シャープは液晶パネルの生産技術や、テレビ組み立てで連携する。鴻海、シャープは現地でパネル生産、テレビ組み立てまでの一貫生産体制を整えることで、コスト競争力を高め、北米のテレビ市場を取り込む。

 一方、シャープは平成28年、シャープブランドの液晶テレビの米国でのブランド使用権を中国の電機大手、海信集団(ハイセンス)に売却している。シャープは現在、ブランド使用権を買い戻す計画を進めているものの交渉は難航。将来の北米でのテレビ事業拡大のためには、早期の買い戻しが課題となる。