経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)が主取引銀行に1000億円規模の金融支援を要請したことが26日わかった。
筆頭株主の官民ファンドである産業革新機構が債務保証する。石川県や中国の工場で実施する人員削減に伴う構造改革費用や運転資金に充てる。
主力の液晶パネルは韓中メーカーの台頭で急速に競争力を失っている。抜本的なリストラで赤字体質からの脱却を急ぐ。


スマートフォン(スマホ)用パネルを手掛ける能美工場(石川県能美市)と中国江蘇省の工場の2カ所で生産中止や人員削減を検討している。


 能美工場は年内をめどに生産を停止。約500人の従業員は近隣の白山工場(石川県白山市)に配置転換する。固定費削減のために退職金を積み増す早期退職も募集する。募集人員は数百人規模となる見通しだ。


 JDIは構造改革費用などを確保するため、みずほ銀行や三井住友銀行などに1000億円規模の融資を要請した。革新機構が債務保証という間接的な金融支援を実施して構造改革を進める。


 JDIは日立製作所と東芝、ソニーの液晶事業を2012年に統合して発足したが、合理化の遅れなどから業績が低迷。現在は国内で6工場が稼働しており、生産拠点を集約して製造設備の入れ替えを進める。


 構造改革で収益力を高めると同時に、財務基盤を改善するため国内外の事業会社やファンドなどとの資本業務提携の検討も始めている。