もちろん、有機ELにもメリットは多くある。発色の良さや黒色の再現性など画質面での優位性がある。しかし、液晶に比べて温度変化に弱い、相対的に輝度が低いことに加え、寿命や焼き付きなどの課題が残されている。有機ELが新しい技術だから必ず液晶よりも優れているとは言えない。プラズマディスプレイも液晶よりはるかに新しい技術であったが、液晶テレビに駆逐されてしまった。
各社の有機ELテレビの出足も好調というわけではなさそうだ。ハイエンド製品では有機ELテレビの需要はあるだろうが、液晶テレビも十分に薄く高画質であり、高価な有機ELを求めるよりも手頃な液晶テレビで十分なのだろう。
中国有力スマホメーカーの有機EL採用は、日本で期待されているような、より高性能で付加価値の高い製品としての有機ELというわけではなさそうだ。中国でファーウエイに次ぐシェアを持つOPPOも、サムスン製の有機ELパネルを採用したスマホを発売しているが、有機EL採用を前面に出して宣伝はしていない。
アップルがサムスンの有機ELを採用したことでJDIの供給が減り、JDIの経営を圧迫した格好になっている。しかも、サムスンの有機ELでなければできないことをするのではなく、JDIでも対応できるものであったとしたら、残念でならない。Move to full article
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