韓国サムスン電子は画面を折り畳んで持ち運べるスマートフォン(スマホ)を来年にも商品化する検討を始めた。
品質問題を起こした高級スマホ「ギャラクシーノート」の後継機を15日に米韓で発売したが、安全を優先して目新しさには欠ける。その裏で次世代スマホで各社が開発を急ぐ見開き型で先行を狙う。得意とする有機ELパネルの曲がる特性を生かして勝負手を放ち、米アップルに対抗する。



 「(製品戦略の)ロードマップに乗っている。来年の発売を目標にしている」。スマホ事業を率いる高東真(コ・ドンジン)無線事業部長はノート8の発売に先立ちソウルで12日に説明会を開いた。言葉を選びながらも見開き型に言及した。
 画面を折り畳み、見開きで使うスマホは業界で「フォルダブル」と呼ばれている。普段の持ち運びと通話時は畳んだ状態で使い、動画やゲームの視聴、ウェブ閲覧の際は画面を広げる。  大画面のタブレット端末の利点をスマホを大型化せずに享受でき、事務作業などビジネス用途も広がる。
曲げやすい有機ELならではの製品で、技術が成熟したスマホの次世代機で必ず登場するとかねて目されてきた。  サムスン関係者によると「基礎技術は完成した」という。
しかし、繰り返し折り畳んでも故障しない耐久性やタブレットと異なる魅力を打ち出す方法に苦心している。高氏も「克服しないといけない課題がある」と認めた。それでも発売時期に触れたのは、発言した日付の意味合いが大きい。