アップルがスマートフォン(スマホ)の最新モデル「iPhoneX(テン)」を減産する。1~3月期の生産量を当初計画から半減させる見通しで、各種部品を供給する国内外のメーカーに通達した。1台11万円を超える高価格が世界の消費者に受け入れられなかったもよう。有機ELパネルを初採用した「X」の販売低迷は、日本など世界の部品メーカーの生産や業績に影響しそうだ。
アップルは2017年11月の「X」発売時には1~3月期に4000万台超を生産する計画だった。年末商戦で欧米や中国の主要市場で販売が伸び悩んだことで、生産量を2000万台前後に半減させる見通しを部品メーカー各社に示した。発売当初は部品の供給問題から品薄状態だったが、現在は一転して在庫が増え始めており急ブレーキを踏んだ格好だ。
アップルは日本経済新聞の取材に対し、Xの生産状況についてコメントしていない。
アップルは2017年11月の「X」発売時には1~3月期に4000万台超を生産する計画だった。年末商戦で欧米や中国の主要市場で販売が伸び悩んだことで、生産量を2000万台前後に半減させる見通しを部品メーカー各社に示した。発売当初は部品の供給問題から品薄状態だったが、現在は一転して在庫が増え始めており急ブレーキを踏んだ格好だ。
アップルは日本経済新聞の取材に対し、Xの生産状況についてコメントしていない。
「X」はアップルが初めて有機ELパネルを採用した戦略商品。ただ、1台11万円超と高価な割に、新機能は顔認証や色鮮やかな画面表示にとどまり、革新性に乏しいと受け取られたようだ。
比較的安価な「8」や「8プラス」、旧モデルの「7」に顧客が流れている。これらのモデルは1~3月期に計画通り合計3000万台規模の生産を維持する見通しだ。
最上位機種「X」の今回の減産による四半期分の影響額を単純計算すると、当初計画に比べ小売りベースで2兆円規模のマイナス要因となる。国内外の部品メーカーや製造受託会社への発注額も四半期分の合計で数千億円規模が減る見通しだ。
村田製作所はiPhoneの薄型化に欠かせない樹脂多層基板「メトロサーク」を1月初めから休日返上で増産してきたが、近く増産幅を縮小する。カメラ向けイメージセンサーのソニーや電子部品基板の京セラ、バッテリーのTDKなども影響を受ける見通しだ。有機ELパネルを独占的に納める韓国サムスン電子にとっても、高収益が続くディスプレー事業の鈍化要因となりそうだ。
スマホなどに使うNAND型フラッシュメモリーのスポット価格は17年10月末から1割下落した。メーカーの増産に「X」の減産が加わったことで、今後値下がりに拍車がかかる可能性がある。
部品各社の業績への影響は今のところ限定的だが、4月以降に顕在化するとの見方もある。株式市場では先週、ソニーの投資判断が引き下げられて関連銘柄の株価が下げるなど「X」の生産減速に対して警戒感が高まっている。
スマホ黎明(れいめい)期から技術革新をけん引してきたアップルの有機ELモデルの販売が下振れしたことで、後に続く中国のスマホメーカーなどが高価な有機ELパネルの採用を見直す動きも出てきそうだ。
アップル自身も18年発売予定の新型iPhoneのうち有機ELモデルの販売計画を縮小し、液晶モデルを増やす検討を始めている。液晶が有機ELに切り替わるディスプレー産業全体の構造転換が足踏みする可能性もある。
アップルが1日(米国時間)に発表する17年10~12月期決算は好業績が予想されている。11月発売のXの影響は限定的なためで、「予想を上回る」(米モルガン・スタンレーのケイティ・ヒューバティ氏)との声も出ている。
比較的安価な「8」や「8プラス」、旧モデルの「7」に顧客が流れている。これらのモデルは1~3月期に計画通り合計3000万台規模の生産を維持する見通しだ。
最上位機種「X」の今回の減産による四半期分の影響額を単純計算すると、当初計画に比べ小売りベースで2兆円規模のマイナス要因となる。国内外の部品メーカーや製造受託会社への発注額も四半期分の合計で数千億円規模が減る見通しだ。
村田製作所はiPhoneの薄型化に欠かせない樹脂多層基板「メトロサーク」を1月初めから休日返上で増産してきたが、近く増産幅を縮小する。カメラ向けイメージセンサーのソニーや電子部品基板の京セラ、バッテリーのTDKなども影響を受ける見通しだ。有機ELパネルを独占的に納める韓国サムスン電子にとっても、高収益が続くディスプレー事業の鈍化要因となりそうだ。
スマホなどに使うNAND型フラッシュメモリーのスポット価格は17年10月末から1割下落した。メーカーの増産に「X」の減産が加わったことで、今後値下がりに拍車がかかる可能性がある。
部品各社の業績への影響は今のところ限定的だが、4月以降に顕在化するとの見方もある。株式市場では先週、ソニーの投資判断が引き下げられて関連銘柄の株価が下げるなど「X」の生産減速に対して警戒感が高まっている。
スマホ黎明(れいめい)期から技術革新をけん引してきたアップルの有機ELモデルの販売が下振れしたことで、後に続く中国のスマホメーカーなどが高価な有機ELパネルの採用を見直す動きも出てきそうだ。
アップル自身も18年発売予定の新型iPhoneのうち有機ELモデルの販売計画を縮小し、液晶モデルを増やす検討を始めている。液晶が有機ELに切り替わるディスプレー産業全体の構造転換が足踏みする可能性もある。
アップルが1日(米国時間)に発表する17年10~12月期決算は好業績が予想されている。11月発売のXの影響は限定的なためで、「予想を上回る」(米モルガン・スタンレーのケイティ・ヒューバティ氏)との声も出ている。
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