液晶パネル大手、友達光電(AUO)は、今年下半期にもミニ発光ダイオード(LED)パネルをゲーム用ノートパソコン、美術作品用ディスプレイ向けに出荷することを計画している。

群創光電(イノラックス)も、車載ディスプレイ用のアクティブマトリックス(AM)方式ミニLEDパネルを年内に前倒しで量産する予定で、今年はパネル2強による同分野での積極的な展開が注目される。21日付工商時報が報じた。



ミニLEDパネルは高輝度・高コントラスト比を特徴とするが、5~6インチのスマートフォン用パネルで5,000個、15インチのノートPC用パネルで7,000個とLED使用量が多く、ローカルディミング(部分駆動)ゾーンが増えることで半導体の使用量も増加するため、コストが大幅に上昇する。

 彭双浪(ポール・ポン)AUO董事長は「ミニLEDパネル1枚当たりの生産コストは、従来のノートPC用パネルと比べて数十倍かかる。いかにコストを低減するかが開発の重点だ」と語る。ミニLEDパネルはハイコストのため、ノートPCの場合、少なくとも価格が1,000米ドル以上の製品でないと供給に見合わないとの考えで、このためゲームPC用や、色彩表現の質が厳しく求められる美術作品用向けへの供給を目指して現在顧客と交渉中だ。

 また、次世代のマイクロLEDパネルについて 彭董事長は、「かなりの研究開発(R&D)リソースを投じており、業界で先頭グループにいる」との認識を示した。その上で、同製品は製造プロセスや技術で 克服すべき点も多いが、LEDと液晶パネルの2つの成熟した技術が結合しており、台湾にとって大きなビジネスチャンスが期待できるとの見方を示した。

 ノートPC用パネルは今年、韓国勢が生産から撤退。新たなパイが生じるものの、AUOはハイエンド製品向けのLTPS(低温ポリシリコン)パネルの生産を拡大する方向だ。