大日本印刷は、北島義俊社長(84)が代表権のある会長に就き、長男の北島義斉副社長(53)が6月28日付で社長に昇格する。社長交代は約39年ぶり。同日の取締役会で正式決定する。義俊社長は「かじ取りは新しい世代に任せるべきだと判断した」と交代理由を説明。義斉次期社長は「社会課題に真摯(しんし)に向き合い、グループをさらに成長させていきたい」と抱負を語った。

1979年に就任した義俊社長は、当時は単体で3700億円程度だった売上高を、18年3月期には約4倍となる1兆4122億円(連結)に拡大させた。

義斉次期社長は富士銀行(現みずほ銀行)で市場分析や投資などを経験。金融業界などで需要がある業務受託(BPO)事業について「21年に1000億円規模、現在比1・5倍にする」と述べた。



【略歴】北島義斉氏 87年(昭62)慶大経卒、同年富士銀行(現みずほ銀行)入行。95年大日本印刷入社、01年取締役。03年常務、05年専務、09年副社長。東京都出身。

◇素顔/大日本印刷社長に就任する北島義斉(きたじま・よしなり)氏

金融業界では、バブル崩壊を経験した。大日本印刷入社後は出版印刷部門などを担当。「親密なコミュニケーションの中で事業を営むという、取引先とのネットワーク(の重要性)を学んだ」と振り返る。副社長としては情報コミュニケーション部門を統括し「海外のマーケットに触れたことは貴重な経験だった」と語る。

自身の性格を「強引に進めると言うよりは、周りとのコンセンサスを取って事業を発展させていく(タイプ)」と分析。一方、父である北島義俊社長からは「信念を曲げないところがある」と芯の強さを評される。

世襲ではないかとの声もある中「社長が私生活でどういうことを行ってきたかを、長年見てきたことが役に立っている」と、父から子へバトンを受け継ぐ利点を分析する。

趣味はゴルフやスポーツ観戦。高校時代は写真部で「(印刷などに関わる)イメージングビジネスには昔から興味があった」という。

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