20170711215115シンガポール航空が最新鋭機で機内エンターテインメントを充実させている。同社のアプリで事前に機内で再生する映画をピックアップしたり、往路で途中で終わってしまった映画を復路で続きから見たりすることができる。機内サービスの充実は顧客の満足度に直結するほか、コスト重視の格安航空会社(LCC)との差異化にもつながる。

3日にシンガポール航空が関西―シンガポール路線で使用を始めた米ボーイングの787―10。日本就航50周年を記念して日本路線で世界初導入した最新鋭機はシートなどだけでなく、機内エンターテインメント「クリスワールド」にも航空業界で先端的なサービスを導入している。1000種類を超える映画やテレビ番組、音楽などが楽しめるほか、言語も日本語に幅広く対応した。



 ビジネスクラスでは18インチ、エコノミークラスでは11.6インチのフルハイビジョンのタッチスクリーンが各座席に用意されており、スマートフォンなど同社アプリを入れた自身の端末とも連動性が高い。

 座席の前に設置されているタッチスクリーンで「デバイスをリンクさせる」という項目を選ぶと、パスワードが表示される。端末にパスワードを打ち込むとペアリングが完了し端末を通じてスクリーンの操作ができる。

 787―10などの最新鋭機では、より顧客の好みに合わせたカスタマイズが可能になった。

 その1つがブックマーク機能だ。アプリでは機内で視聴できる映画などが一覧表示されており予告編を見ることができる。搭乗する前に見たいコンテンツを選択しておくと、機内のスクリーンにプレイリストが表示される。事前に選んでおくことで搭乗後すぐに映画などを楽しむことができる。

 マイル会員にあたるクリスフライヤー会員はよりきめ細やかなカスタマイズが可能となる。顧客の好みや過去の視聴履歴を基づいてコンテンツをおすすめしてくれる。さらに映画を続きから見ることができるレジューム機能も利用できる。日本とシンガポールを結ぶ路線ではフライトが7時間程度に及ぶ。2時間ほどの映画を複数みると、見ている途中で到着してしまうことも少なくない。新しい機材では途中で終わってしまった映画を乗り継ぎ便や復路で続きのところから視聴することができる。

 最新鋭機787―10は日本路線で世界に先駆けて導入していく。18日に成田―シンガポール路線で導入するほか、デイヴィッド・ラウ日本支社長は「大阪と東京に続き18年内に名古屋と福岡も切り替える」と意気込みを語る。日本の搭乗客は最新の機内エンタメを楽しむことができそうだ。