
電機や化学を中核事業とする韓国LGグループを23年間率いた具本茂(ク・ボンム)会長が73歳で急逝した。LGは大手財閥では初めてとなる4代目総帥の選出を迫られる。具本茂氏の養子の具光謨(ク・グァンモ、40)LG電子常務が有力だが、経営手腕は未知数だ。実力会長を欠いたLGは、逆風が吹くリチウムイオン電池や有機ELパネルで、成長戦略の練り直しが求められている。
実力派会長だけに後継者にかかる重圧は大きい。グループの持ち株会社「LG」は6月29日に予定する臨時株主総会で具本茂氏の弟の長男で養子に迎えた具光謨氏が取締役に就く見通し。LGは「株主総会招集は承継作業の一環」と説明しており同氏を4代目総帥に内定する可能性がある。
一方で成長に向けた戦略部門が揺れている。車載用リチウムイオン電池では16年以降、中国政府からLG製を搭載した電気自動車(EV)が補助金の対象から外された。韓国政府は支給対象にするよう求めているが見直されるかは読めない。 LGは米ゼネラル・モーターズ(GM)など自動車大手への供給実績も多い。当初は中国工場を増強し成長を目指す方針だったが車載向け電池でシェアを伸ばす中国勢との差が広がっている。
有機ELパネルも赤字が続く。スマートフォン(スマホ)向けの中小型品を扱うサムスン電子と違いLGの有機ELはテレビ向けの大型が主力。ようやく年100万台を超えた有機ELテレビの限られた市場で量産効果を出せないでいる。18年はLG以外のテレビメーカーに外販で過去最大の84万台分を出荷し下半期の黒字転換を目指す。
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